RailsのActiveRecordやC#のLINQではデータ列に対して選択や絞り込みなどを行う際、SelectやWhereなどを用いて要素を絞りこんだり要素のプロパティの集合を取り出したりできます。言い換えるとある集合に対する操作の結果として別の集合(または値)を取り出すための操作が用意されています。
Lispのような関数型言語のリスト操作のような感じもありますね。標準のRubyでいうとArray#map
とかArray#all?
あたりがこれに該当します。
これと同じようなことをObjective-CのNSArrayに対して出来ないかなーと思って調べたところこんなライブラリが見つかりました。
ColinEberhardt/LinqToObjectiveC
このカテゴリを導入すると、NSArrayやNSDictionaryにlinq_where
やlinq_select
なるメソッドが追加されます。
これ使いたいなーとおもった場面を、使い方の説明も兼ねて紹介します。
登場人物
こんな感じの役に立たないほげクラスがあったとしましょう。
typedef NS_ENUM(NSUInteger, HogeType){
HogeFirst,
HogeSecond
};
@interface Hoge : NSObject
@property HogeType type;
@property NSString *name;
+ (id)hogeWithType:(HogeType)type;
@end
準備
そして、次のように2種類のほげオブジェクトをたくさん保持する配列があるとします。
- (void)doSomething
{
NSMutableArray *array = [NSMutableArray new];
[array addObject:[Hoge hogeWithType:HogeFirst];
[array addObject:[Hoge hogeWithType:HogeSecond];
// このあとランダムに詰め込む
}
HogeFirstのみの配列にしたい
いよいよlinq_where
の出番です。あなたはHogeFirstのみを集めた配列を用意したく。ループで愚直に書くとこうなります。
- (NSArray*)getHogeFirstArray
{
// array にはランダムなHogeが入っている
NSMutableArray *results = [NSMutableArray new];
for (Hoge *hoge in array) {
if (hoge.type == HogeFirst) {
[results addObject:hoge];
}
}
return results;
}
これに対しlinq_where
を使ったバージョンをこのようになります。
- (NSArray*)getHogeFirstArray
{
// array にはランダムなHogeが入っている
return [array linq_where:^BOOL(Hoge *hoge){
return hoge.type == HogeFirst;
}];
}
さいごに
パフォーマンスはまだ調べていませんが、書き方としては少しスマートになった気がします。僕はこちらのほうが好み。
selectやwhere以外にもたくさんのメソッドが提供されているので試す価値あり、です。